連載コラム【三つの時代で輝き続けるオンナたち】vol.3 紅茶コーディネーター 出口ゆかりさん

昭和から、平成、令和と三つの時代を、結婚、出産、子育て、仕事と生き抜いた女性からいただく言葉は、まさにオンナゴコロにクロスする言葉ばかり。シリーズでお届けします。

ゲスト 紅茶コーディネーター 出口ゆかりさん

昭和29年生まれ。 Northern Belle  英国式紅茶教室主宰 。世界各国の紅茶の茶畑に直接出向き、収穫の様子から茶葉ができるまで、環境の違いと味の関係を研究し、札幌で報告会開催や、本場英国式の紅茶教室を開催。紅茶の美味しさと共に、日常とは違う優雅でおしゃれなティータイムをたくさんの生徒たちに伝えている。

起業したきっかけ

kouhi 取材はいつも妹の明子なのですが、今日は作品作りの本人が取材することになりました!よろしくお願い致します。まずはなぜ紅茶教室をやろうと思ったのですか?

出口 40代で主人が他界したことがきっかけで何かを始めようと思いました。
 これから迎える50代、60代を楽しく過ごす方法は何だろうとしばらく模索していたのですが、私は元々東京から北海道の静内に嫁いたので、夫がなくなって札幌に来た時には誰一人知り合いはいませんでした。
 そんな中で、できるだけ優雅な時間を作ることができ、人と接することができる事とは何か、を考えた時、何かの教室をやることだと思ったのです。
 そんな時、ふと目に入ったのが、当時国際線でCAをやっていた友人からよく送られてきていたインドの紅茶でした。
 楽しんで飲んでいただけだったのですが、ふとたくさんある紅茶のパッケージを見て、
 「紅茶を極めるのも面白いかも!」
と思いつき、それが紅茶教室を始めたきっかけです。

影響を受けた、紅茶の本場イギリス

kouhi 紅茶はいろいろな種類があるので覚えると面白そうですよね!

出口 偶然にもイギリスに行くチャンスがあり、フォートナム・アンド・メイソン( イギリスのロンドンを拠点とする老舗百貨店。 英国王室御用達ブランドの紅茶・ジャム・マーマレードなどがある)で、紅茶やお菓子などで本場のおもてなしに触れました。そこからの影響で、今後紅茶教室開講を目指していこう!と決心したのです。
 その後、紅茶教室として「アフタヌーン・ティーの会」を始めました。
 するとある日、参加者の中から「出口さん、なんか元気ないね」と言われます。自分では「元気はあるのになぜ?」と思っていたのですが、その方から紅茶教室の先生を紹介されたのです。 きっとその先生が私には必要だと思ってくれたのかもしれません。

友人からの紹介された先生に出会ったところからスタート!

kouhi 何か今までやっていた紅茶教室は思ったものと違ったのでしょうか?

出口 心から楽しんでいなかったのかもしれませんね。結果、その方から紹介された先生に私は突然「会えませんか?」と電話をかけていました。先生はお忙しい中、たまたまスケジュールが空いていて、東京で会う事ができました。
 先生は何日か後に、インドのダージリンに行く予定があるとおっしゃいました。それを聞いて私はすかさず、
「私も一緒に連れて行ってください!」
とお願いしていました。そしてあれよあれよと手続きを済ませ、なんと一緒にツアーへ参加する事ができたのです。

ダージリンでショックを受ける!

kouhi すごい行動力ですね!!!

出口  自分でもびっくりです(笑)
 そうしてダージリンは、インドの北側、ヒマラヤに近い方の本当の山奥、標高は1500~2000mくらいあるような所です。デリーから飛行機にのり、さらにジープで3~4時間走らないと着かないような場所。
 そしてダージリン茶園のオーナーのゲストハウスに泊まります。そこは100年以上前にイギリス人が作った建物でした。そこからインドの歴史をより身近に感じることができたのをきっかけに、よりいろいろな事が知りたくなりました。
 朝4時に起きて、工場へ向います。そこで初めて積んだ茶葉が萎れていく時に出る 萎凋(いちょう) という現象を目の当たりにします。それは10~15時間、その日の天候によって時間を変えていくのですが、ときどきひっくり返すと茶色くなりしんなりしていきます。
 その時に発生する香りがとてもいいのです!
 それをきっかけに茶畑に行くことに目覚めて15年間、チャンスがあれば世界中の茶畑へ出かけています。
 もちろんそういった茶畑は、普通の観光目的だけは入れず、日本で紅茶を広げてくれると認定された人にだけ立ち入りが許されている場所です。紅茶を教えている先生が企画して視察する国や茶園を決め、必ずその国の紅茶局を通して許可を取り開催しています。

kouhi 日本を代表して、中に入れてくれているのですね!

出口 おかげさまで認めていただいているので、いろいろな国の茶畑を見せていただいています。 茶畑の気候状態によって育ち方が違う、そこでどういう紅茶ができあがるのか、とにかく直接茶摘みのところから、紅茶ができる課程が見たいのです!
 朝まだくらいにうちに茶畑に行きます。霧がかかっていて、朝露が茶葉につきます。10時くらいになると、ぱーっと太陽で明るく照らされて、そういう気候の中で茶葉ができていく・・・
 それは、直接見に行かなければわからなかった事。それを見に行くのがとても面白いのです!

紅茶に出会う前から人を楽しませることが好きでした

kouhi 出口さんは研究熱心ですが、元々どういうお仕事をされていたのですか?

出口 静内では、「親子劇場」というところで、親子に生の演劇を見せるために日高管内を走り回り、そのコーディネーターを15年くらいしていました。たくさんの親子に生の演劇を見てもらい喜んでいただきました。
 きっと紅茶に出会う前から人を楽しませることが好きだったのですね。
 他には、孫が生まれたのがきっかけで「絵本セラピスト」を取得したり、1年に1回は新しいことができたらなーと思っています。これからもいろいろな事に挑戦していきたいです。

kouhi 本当にバイタリティありますね!

紅茶に出会って人生が楽しくなることを、たくさんの人に伝えていきたい

出口 紅茶を知れば知るほど紅茶が愛おしくて仕方がありません。現地に見に行っているからこそ、飲む時に生産者の顔や光景が浮かびます。
 だから「美味しくいれたい」と思いますし、その美味しさを伝えていきたいのです。
 紅茶には歴史があり、現地に行かないと知れなかった、日本には入ってきていない情報もたくさんあるのです。

kouhi 今年はどの国に行かれるのですか?

出口 今年はロシアの茶畑にいく予定です!

今後の目標について

kouhi これからの目標はありますか?

出口 それはいつも迷っていて(笑)
 今のように、茶葉の見学報告や紅茶の歴史のお話、おもてなし法を教える教室のままでいいのか、この内容をどれだけの人が楽しんでくれているのかわからず、迷う事はありますね。

kouhi それでも何かをやり続けたいと思う、その行動力がとっても素敵だと思います!

聞き手 kouhi(写真右)(Sachi&Aki co.)

ありがとうの花束 Sachi&Aki co. の絵書家。
ありがとうを伝える直筆、ポストカードの専門店。
起業して11年目。営業である妹の明子さんが カウンセラーとしてお客様のお話を聞き、 それを「伝える言葉」で表現する。

★予告★

定山渓鶴雅リゾートスパ森の謌2階 「森の美術館」にて、”三つの時代を輝き続けるオンナたちの言葉展”(仮タイトル)開催予定!ありがとうの花束作家kouhiが、シリーズ取材の女性から感じ取った言葉を、直筆書きおろしで書に表した作品を展示します。お楽しみに♪

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