日本人女性の9人に1人が「乳がん」になる時代。
まま・ここっとでは今号から「乳がん検診」を呼びかける連載を始めます。
46歳にして両胸をとったHTB社員 阿久津友紀さんのインタビュー記事をご紹介します。
今回は入院中に出会ったYさんとのお話です。
夫、長男(4歳)、長女(2歳)、父の5人家族。
去年7月、39歳で左胸の乳がんと診断。
乳房温存手術後、抗がん剤治療後、放射線治療。
がんと気づいたきっかけは何ですか?
夜中にビールを飲みながら、何気に触ったらシコリがありました。
まずは、母と夫にシコリがあったことを相談。最後に父に伝えました。なぜならば、父が同じく乳がんだったので、人一倍、私のことを気にしていたからです。
抗がん剤治療も受けられたのですね?
しこりは1.5センチと大きくなかったのですが、リンパ節にも転移があったことが驚きでした。
子どもがまだ小さいのでできる限りの治療はやろうと決意しました。ただ、髪の抜けない抗がん剤が欲しかった。
きっと脱毛が嫌で治療から遠のいてしまう方もいるのではと。
一番困ったことは何ですか?
手術後、子どもを抱っこできなかったこと。
まだ1歳と2歳だったのでまだまだ甘えたい時期でつらかったです。
家族を始め、まわりの協力なしにはできないことだらけで感謝でいっぱいです。
これからは子どもへの遺伝が心配です。小さいうちは発症リスクは少ないと思うのですが子どもたちが大人になるころに医療が進んでいることを願うばかりです。
検診に行っていない人に伝えたいことは?
(血縁に乳がん患者さんがいるなどリスクの高い人は)
一年に一回の検診でも少なく、半年おきでもよいと思います。また、出産後も
必ず検診を受けてほしいです。
2人目の妊娠中にエコー検査は一度しましたがその時には見つからず、
出産後、1年5カ月行けてなかったので気づくのが遅くなったのではないかと思うこともあります。
会社にも乳がん経験者が多くいます。いざという時の生命保険も大事です。
日頃から自分の体を思いやり、早期発見が何より大切だと思います。
※この記事は、『ままここっと 札幌版 Vol.08(2021年3月10日発行)』掲載「伝えたい、乳がんのはなし。」をWEB用に加筆・修正したものです。記事内の情報は2021年3月10日現在のものです。