日本人女性の11人に1人が「乳がん」になる時代。
まま・ここっとでは今号から「乳がん検診」を呼びかける連載を始めます。
46歳にして両胸をとったHTB社員 阿久津友紀さんのインタビュー記事をご紹介します。
第2回目は、阿久津さんが入院中に出会った “佐藤恵理(さとうえり)”さんとのお話です。
保険会社に勤めるえりさん40歳、
小学4年生・中学1年生の男の子のママです。
お客様に保険を通して伝えていたはずの病気のこと、患者になってたくさんの
気づきがあったと話します。
がんと気づいたきっかけは何ですか?
去年6月、会社の健康診断で疑いを指摘されました。
その後釧路の病院を受診したところ、マンモグラフィでは悪性ではないと思うと
のこと。ホッとしたのも束の間で触診・エコー検査では2.5センチのしこりが見つかりました。
母子家庭の私はこの日すぐ、自分はがんかもしれないということを親と、当時小学3年生、6年生の息子たちに伝えました。
その後精密検査が続きますよね?
細胞をとって調べたところ、検査結果は悪性、たちのよくないタイプと説明され、このとき、『乳がんは1つじゃない、タイプがあるんだ』ということを知りました。
セカンドオピニオンで札幌の病院に。そこで言われたのは『トリプルネガティブ』という乳がん全体で15%ほどしかいないタイプでした。
しこりは2週間で3.6センチまで大きくなっていました
このとき、余命宣告をされるだろうと覚悟していましたが、すぐに抗がん剤治療を開始。
『まだ生きられる、まだ大丈夫なんだ』と思いました。
8月2日に右の乳房・乳頭全摘。病院でたくさんの仲間ができ、助けられました。
私はホルモン薬と注射です。治療法が違いますよね?
抗がん剤しか効かないタイプで自分に合う抗がん剤を見つけてもらえるかが大事。7カ月間、抗がん剤治療をして、脱毛や関節痛に悩まされましたが、今は無治療で経過観察。仕事にも復帰しました。働かないと・・・お金の問題が深刻です。
乳がんを経験し、思うことは、早期発見と適切な治療。大切な家族や人、自分のために定期健診を、できればエコーもやってもらいたいと思います。
※この記事は、『ままここっと 札幌版 Vol.06(2020年9月10日発行)』掲載「伝えたい、乳がんのはなし。」をWEB用に加筆・修正したものです。記事内の情報は2020年9月10日現在のものです。