性教育が3歳から必要な理由とは【子どもに伝えたい大切な「性」の話 vol.1】

インターネットの普及等によって簡単に性の情報に触れられる現在、
性犯罪のリスクから子どもを守るためにも、 また我が子を性犯罪の加害者にしないためにも、 幼児期から正しい性の情報を伝えておくことが大切だ。
しかし、性についての話をタブーとしている家庭は多く、 性教育の重要性は分かっていても「何をどう伝えれば良いのか」と悩むママもいる。
性教育アドバイザーの、のじまなみさんに家庭で行いたい性教育についてうかがった。

性犯罪から子どもを守るために

昨今、幼児が性犯罪に巻き込まれる事件、特にSNSを介した性被害が増加の一途をたどっています。耳を疑いたくなるようなショッキングな事件など、低年齢でも性被害にあう可能性は大いにあります。

「子どもを性犯罪から守りたい」と願うのは親として当然でしょう。ところが、性教育が長くタブー視されている日本では、自分の身を守るための教育も、加害者にならない教育も行われてきませんでした。
性に関する知識がない子どもたちは、何がいいことか、悪いことかのラインが分からないのです。

 一方で、一家に一台といっていいほどスマートフォンやタブレットが普及し、子どもたちはいとも簡単に性の情報に触れることができます。誤った性知識によって、悪気なくパンツを下ろしておちんちんを見せたり、キスをしてみたりといったところから、トラブルが発生する場合もあります。

 性犯罪の被害者・加害者になるのを防ぐためには、「自分の体には人に見せても触らせてもいけない大事な部分がある」ということを覚えさせることが大事です。
それを覚えていると、誰かに触られそうになったときに危機意識を持つことができます。加えて人のおっぱいやお尻などを触ってはいけないということを当たり前のマナーとして教えることができ、相手をいたわる気持ちが育まれます。

 また、性交渉の意味や大切さと合わせて、デメリットを教えておくことで、低年齢での望まない妊娠・中絶といったリスクを減らすことができます。幼児期からの性教育は、子どもの未来を守るためにも重要なのです。

性教育を行うメリット

・ 性犯罪の被害者・加害者にならない
・ 自己肯定感がアップ
・ 低年齢での妊娠・中絶のリスクを回避

愛情を伝え、自己肯定感を育む

 親の愛情を子どもにたっぷりと伝えられることも、性教育の大きなメリットです。日本の子どもの自殺率は先進国で最も高く、背景として自己肯定感の低さが指摘されています。

 日本人は「あなたを愛しているよ」と口にするのが苦手です。わざわざ言わなくても子どもは親から愛されていることを分かっているだろうと思いがちですが、言葉にしないと伝わりません。
性教育を通して生まれてきたときのことや名前の由来などを話すなかで、子どもは親の愛情を実感できます。

「自分は愛されている」「生まれてきて良かった」。この実感が自己肯定感につながっていくのです。

性教育は3歳~10歳が適齢期

 「赤ちゃんは、どうやってできるの?」と子どもに聞かれたら、しっかり答えられますか?3歳から5歳までの間に80%の子どもが命に関する質問をしてくると言われています。
ここで、はぐらかしてはいけません。

「ママのお腹には卵子という赤ちゃんの卵、パパのおちんちんには精子という命の種があって、それが出あうと赤ちゃんができるのよ。あなたも同じようにして生まれてきたのよ」ときちんと話してあげましょう。この年代の子どもには性に対して卑猥な感情が一切ありません。
「生まれてきて良かった」と素直に感じ取ることができます。

 性教育は中学生くらいからで良いと考える人も多いですが、10歳以降になると親から距離を置きたがり、親から性の話をされることを嫌がる時期に入ります。性教育は子どもが親の話を素直に聞いてくれる3歳から10歳の間に行うのがベストです。

お風呂で始める性教育

 性教育を始めるのは、裸になって落ち着いて話せる、お風呂の時間がおすすめ。まず教えておきたいのが、「水着ゾーン」です。水着を着て隠れるところと口は、他人に見せても触らせてもいけない、自分だけの大切な場所であると教えましょう。

 男の子がふざけておちんちんを出していたり、女の子が足を広げてスカートからパンツが見えていたりするときは、「そこは水着ゾーンだよ」と注意します。

 また、パンツを自分で洗う習慣を身につけておくこともおすすめしています。3歳くらいなら、お漏らしをしたときにパンツを桶につけるところから始めてみてください。パンツを洗いながら、男の子には近い将来、精子というものがおちんちんから出るよ、女の子には生理というのがあって血が出るよと教えておけば、夢精や生理によってパンツを汚しても焦らず、体の変化をスムーズに受け入れることができます。

 性教育を始めたママからは、「子どもが、ママ産んでくれてありがとうと言ってくれた」「生理の日にママ休んでいていいよと優しい声をかけてくれた」と言った声が届いています。命の尊さと相手をいたわる心を学び、親子の信頼関係を深める性教育。ぜひ実践してください。

次回は、性教育お悩みQ&Aをお届けします。

※この記事は、『まま・ここっと札幌版vol.5 2020年夏号』掲載「 子どもに伝えたい性の話 」をWEB用に編集・転載したものです。

性教育アドバイザー
のじまなみさん

家庭での性教育を広める
「とにかく明るい性教育
【パンツの教室】協会」代表理事。
元泌尿器科看護師で3児のママ。

TOPICS一覧へ

関連記事