子育てという経験を積んだからこそ、仕事や活動に出会い、日々奮闘するママを紹介する「ママプロジェクト」。今回は、自らの経験を生かして、同じように悩んでいるママに寄り添い、弁護士として活動する、木葉文子さんのお話です。
女性が自立できるから弁護士の道へ
「札幌で離婚経験のあるシングルマザーの弁護士って、私くらいじゃないかしら?」と笑いながら話す木葉さん。
木葉さんが弁護士に憧れたのは「女性でも自立して仕事ができる」という理由からでした。
結婚して2児の母となり、母親業に専念するため約4年間、弁護士を完全休業して専業主婦に。その時、木葉さんは自分自身に収入がなくなる不安や焦りを経験したそうです。
仕事復帰後は、何もかもがうまくいかなかった
弁護士に復帰したあとは、仕事・育児・家事で多忙を極め、子どもたちにガミガミ言い、子どもが失敗しないよう先回りしてしまう自分に嫌気がさしたといいます。パートナーとの関係も難しくなり、自分がどうしたいのかわからず、何もかもがうまくいかなくなってしまったそう。
そんな時に、「今まで全くやったこともないことに挑戦したら、何か変わるかも」と始めたのが、カウンセリングとコーチングの勉強でした。
「コーチングは、自分が本当に何をしたかったのかを気づかせてくれる力がありました。今までは『失敗してはいけない』と思っていたけれど、『失敗や経験そのものが人生の糧になる』と考えが変わりました。子どもたちの経験や失敗も、受け止めることができるようになったんです」
失敗を経験したからこそ、寄り添える
木葉さんの元にくる相談でもっとも多いのは、離婚と養育費に関するもの。
相談に来る人が、人生の転機を迎え、どれほど緊張しているのか、心理カウンセラーやコーチングの資格を取得してからはより理解できるようになりました
「相談に来られる方の話にじっくりと耳を傾け、今までの思いや、ご相談者の人生そのものを受け止め、ママと子どもたちの未来を見据えて寄り添うように心がけています」と木葉さんは話します。
離婚問題は、「パートナーとの関係に違和感を感じる」段階で相談すると、その後の選択肢が広がり、筋道を立てて行動することができるそう。
悩んでいる方は、一人で抱え込まずに、ぜひ、頼れる木葉さんに相談してほしいなと思います。
※この記事は、『ままここっと 札幌版 Vol.03(2019年12月10日発行)』掲載「ママプロジェクト」をWEB用に加筆・修正したものです。記事内の情報は2019年12月10日現在のものです。